兵庫県立淡路景観園芸学校 様

最初の数年はViPキット各種フルセットをご講義ごとにご購入。最近は培地を中心に容器やsirViPシリーズを必要量ご購入されておられます。
培養の内容は、ランの無菌播種とベゴニア葉切片からの再分化が中心で、茎頂培養、人工種子作成などもされています(下記の写真)。
(下記写真をクリックすると兵庫県立淡路景観園芸学校のサイト中の当該ページへ飛びます)

通常実験台上での培養授業

(カーネーションの茎頂培養)

市民講座:家庭でできる植物の培養

このように通常の部屋の折畳テーブルでも可能です。



下記の写真はクリックすると台湾 国立宜蘭大学園藝系へ飛びます。
(兵庫県立淡路景観園芸学校のサイトではありません)


台湾 国立宜蘭大学園藝系での講義・実演

このように国外など遠隔地での講義・実演もカバン一つの持ち込みで可能です。


市民会館でも湯沸かしポット(と植える植物)さえ持ち込めば培養できてしまうのがヴィトロプランツ製ViPキットの強みです。ランの種まきや葉片からの植物の再分化等を市民会館での市民講座や、高校の理科実験室においての出張授業などをされています。

ご担当者からの短観(掲載ご許可を頂いています)

メリット
・目新しい技術なので,多くの人が興味を示してくれる.
・オートクレーブとクリーンベンチが必要ないので,思いついたらすぐに試すことができる.
・オートクレーブとクリーンベンチが必要ないので,短時間で培養作業が終わる.
・クリーンベンチが必要ないので,大人数の実習が一度にできる.
・クリーンベンチが必要ないので,培養作業の場所を選ばない.
要望
・培地の組成やホルモン濃度を手軽に変えることができない.
・sirViPへの浸漬時間が長い.
・培養容器が格好悪い(インスタ映えしない).
・カミソリだけが可燃ゴミに出せない.
・説明書の文字数が多すぎる.

ヴィトロプランツからの短観

ご要望中の上から2つ、はやっと去年(2018年半ば、末)から改善した状況です。ホルモン濃度は pgrViPシリーズによりお手軽に変更できるようになり、 sirViP G により一瞬浸漬でも、初代培養でまともな微生物汚染の低減を達成しています。
ぜひお試し下さい。その他は代表の能力ではできません!(笑) 特にキット付属容器がダサイのと説明書がムダに長いのはどなたか改善してくれると嬉しいです。ぶっちゃけやっていただけたら、原料供給と開発に徹します。インスタばえするようにして飛ぶように売れたら儲け半分でもいい(笑)

半ば以上本気な戯言はさておき、理科実験で培養、となると教科書をなぞれる『ニンジンのカルス化と再分化』をやりたくなります。いつも培養しているそれなりに熟練した人がやると比較的簡単だとされています。が、『普段培養していない教員が、年1~2回程度で多人数相手に講義しながら行って、毎年ほぼ確実に成功させる』となると意外に難しいです。

ランの無菌播種、特にシラン(wikipedia)の完熟種子を用いると、ほとんど失敗せずに簡単です。河川敷や公園などに生えていますので、10~11月頃に果実を採取し冷凍保存しておくと1年中使えます。強い草ですので庭の隅に植えておいてもいいでしょう。培地ならeViP培地京都寒天15ショ糖40 、キットならViPキット 京都(ジャガイモ、BA)が良いと思います。
ホルモン類は添加不要で、ショ糖濃度は60g/L(6%)ぐらいまで上げたほうが『良い苗』ができますが、培養の成功・不成功という意味ではほとんどかわりません。
ポイントは複数『株』の完熟種子を混ぜて使うことです。稀に種子がほとんど発芽しない株があり、複数混ぜて使うことでその危険性を避けます。

次点で容易なのはレックスベゴニア(Google 画像検索)の葉片や、ユリ(Lilium属 (wikipedia))の鱗片からの植物再分化です。培地なら eViP培地1/2MSゲランガム1.4ショ糖40、キットなら ViPキット 1/2MS(BA、NAA、2-4D)が良いと思います。
ポイントは病害虫あとの無い綺麗な新しい部分を使用することです。古い鱗片や葉ほど内部汚染の確率が上がります。


その次ぐらいで容易なのはニンジンのカルス化です。再分化は難易度がやや上がります。カルス化までは簡単です。根切片を2,4-Dが1~2mg/L入った培地に植えれば、微生物汚染無く生き残りさえすればカルス化します。まずはカルス化に挑戦しましょう。培地ならeViP培地MSゲランガム1.4ショ糖20 2,4-D1、キットなら ViPキット 1/2MS(BA、NAA、2-4D)が良いと思います。
ポイントは買ってくるニンジンです。高めできれいなつやつやしたものを買いましょう。見切り品や安売り品あるいは冷蔵庫に眠っていたようなニンジンは避けるほうが無難です。ニンジンの根内部が細菌汚染されている確率が高く、植えた全容器が汚染で全滅します。

オートクレーブもクリーンベンチも無いけど、無菌培養の理科実験をヴィトロプランツ製品で始めてみようか、と思われている方は、まずこのへんからステップアップされていくことをおすすめします。